デンマークモデルを日本に根付かせるには?

2011.12.02

労働市場はフレキシブルであるため柔軟性や活力はあるものの、解雇が頻繁に起こるというマイナス面がある。しかし、そのマイナス面は手厚い雇用保険制度などでカバーされるため、個々人が抱えるリスクはそれほど大きくない。ただ、失業者全員が手厚い雇用保険制度や社会保障制度に依存してしまうと、財政赤字が膨らみ制度が維持できなくなる。そのため、雇用保険制度で失業者のリスクをカバーしながら、失業者がいち早く労働市場に戻るための積極的労働市場政策で失業者の能力を高めて再び労働市場に戻す。

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その時、解雇で失業者を冷たく放り出した労働市場は、柔軟性をもって失業者を再び受け入れるというサイクルができているのである。デンマークモデルが今の日本にとって学ぶ価値があると私が推薦するのは、デンマークの雇用情勢が優れているということの他に、日本が抱えている「柔軟な労働市場」と「みんなが安心できるセーフティーネット」の実現という、一見すると矛盾する二つの課題を同時に解決できる可能性が高いからである。もちろん、このモデルをそのまま導入して機能するかどうかは未知数である。第一に、北欧モデル全般に言えることだが、人口・経済規模が小さい北欧と日本のような人口・経済規模の大きい国との違いである。小国だからこそ小回りもきくし、政策の効果もわかりやすく、修正もききやすいという部分はある。第二に、労使関係の違いである。デンマークもそうだが、北欧諸国は労働組合の組織率が高く、ナショナルセンターレベルでの話し合いが全国に及んでいくコーポラティズム体制になっているところが多い。それに対して、わが国では年々労働組合の組織率が低下しており、労使関係でカバーできる部分に限界がある。




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