就職状況の全体像についてこうした分析を行ったのは初めての試みと思うが、以上から、従来見過ごされてきた「二つの重要な事実」を導き出すことができる。一つは二〇一〇年春、就職できずに卒業した既卒者のうち、約七万人が二〇一一年度の就職戦線でも「二年目の求職活動」を行っていたとみられるという事実である。加えて七万二四〇〇人の一年留年生のうち約半数が新卒扱いで求職中とすれば、実に一〇万人前後が現役四年生に混じって新卒採用枠をめぐり就活中と推定されるのである。
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二つ目はこれをもとに、二〇一〇年春採用の就職希望者数を推定すると、二〇〇九年五月時点でフリーターや無業者だった合計八万人の半数四万人と一年留年生の半数三万四〇〇〇人(いずれも○九年度の学校基本調査による)を合わせた七万四〇〇〇人が二〇一〇年度の就職戦線で求職活動を行っていたとみられ、これに四五万人ほどいた現役の就活生を加え九五二万四〇〇〇人が就職希望者として就職活動を行っていたと推定されることである。学校基本調査によれば、一〇年度の就職者数は三二万九〇〇〇人なので、一九万五〇〇〇人が就職を希望しながら果たせなかったという計算になる。ただし、フリーターや無業者合計で四万人と推定される就職希望者のうち、正規の就職口を得られた者もいるわけだが、そうした数は不明である。仮に半数が就職できたと推測すれば、「末就職者は一七万五〇〇〇人」ということになる。いずれにせよ、政府発表の六〜七万人とはとんでもなく大きな違いである。