資本と労働の行動が変化すれば、それは日本型雇用システムの内部環境自体が変化することを意味している。それはシステムを内部から変動させる最大の要因となり、それは構造そのものにかかわる変動の要因となる。資本に関しては明白である。もしそれが、経営者支配型から株主支配型へと転換するなら、資本利益の追求の圧力が強まることは明らかだ。まず第一に否定されるのは、雇用保障の観念であり、あるいは企業買収を通じた新たな
経営者支配型→株主支配型への転換は日本型雇用システ... の続きを読む
かつてめぼしい働きをしたことがない、だから履歴書はパツとしない、勤めている会社も無名だ、電話をしてきた感じも野暮ったい、などなど何もプラス要因がないのに、実際に会ってみると実に魅力的だ、ということがたまにあるのである(ほんとにたまにだが)。時折、そういう人物に出会うと、やはりマニュアルではない、と痛感するのである。読者の方はがっかりされたかもしれない。私に言わせてもらえば、客観的な評価基準などすぐ
客観的基準を満たすだけでなく相性が重要... の続きを読む
就職して初期の数年の間に適職を選び、三〇代前半を有効に使って実績を作り、人材価値を作り上げるという基本的な考え方は性別に影響されない。女性の場合も、実際に働いてみないと自分の適職がわからないケースが多いし、仕事を覚える期間も必要だし、仕事で実績を上げられる能力がピークに達するのは、やはり三〇代前半だろう。ただし、どうしても結婚や出産、特に出産の仕事に対する影響は大きい。影響を吸収できるキャリアープ
「二八歳、三五歳説」に修正は必要か... の続きを読む
相関は何に基づくのか。それを日本的経営の集団主義や協調的労使関係、あるいは「会社人間」としての企業忠誠心といったものに結び付けるのであれば、それは重大な点を見落とすことになる。あるいはいささか容易な「文化的説明」に陥ることになる。いわゆる「文化的説明」の問題点は、文化的視点を導入すること自体にあるのではなく、それが恣意的にあるいは説明の窮地を逃れるため、その場限りに、つまりはアドホックになされる点
労使関係や従業員関係が、技能形成に関連する... の続きを読む
二十八歳のTさんが転職したのは、今からちょうど一年前のことである。システムエンジニアの彼は、前職の中小ソフトハウスから、大手システムインテグレーターに転職した。もう少し大きなフィールドで仕事をしたかったし、待遇面でも実力相応のものが欲しかった。力のあるエンジニアを自負するTさんは、スキルに応じた報酬は受け取ってしかるべきものと考えていた。そこで選んだのが、待遇も仕事規模もアップするA社だったのであ
わかりやすい昇進・昇格システムを導入... の続きを読む
非正規雇用で働く人は、本人の選択の結果として不安定で低賃金の職についているのだから、そこから受ける不利益は忍ぶべきだという声も耳にする。「あなたが選んだのでしょう」という言葉は、現状を改善したいという人たちに二の句を継げなくさせたり、現状を受け入れるために自分自身に言い聞かせる言葉となったりする。しかし、非正規雇用で働く人のなかで、正社員になれなかったから非正社員になるしかなかったという人や、正社
非正規雇用で受ける不利益は忍ぶべき... の続きを読む
タクシー業界も規制緩和によって地獄をみるような労働条件の悪化を体験させられている代表的な職場である。二〇〇二年に改正道路運送法が施行されて、それまでの規制が撤廃されたことによって、事業への新規参入と大量増車が相次いで、低価格競争が展開された。大阪では、「五〇〇〇円超五割引き」という大幅な遠距離割引運賃が認可され、大多数のタクシー業者がその運賃体系を導入せざるを得なくなっている。また、初乗り運賃が通
タクシー業界も規制緩和によって地獄をみる... の続きを読む
社会の変化のスピードが速くなり、日本でも大手企業に入社すれば安心という時代は終わった。大手企業といえども自分の生涯を支え続けてくれる保証はもはやない。かってのように成功したビジネスモデルの寿命が長かった時代は、勝ち組企業に入れば定年までキャリアは安泰ということもあったかもしれない。そこでは企業に「所属」していることに確かに意味があった。企業に「入る」ための新卒学生の就職活動が日本社会の一大イベント
企業への「所属」は頼りにならない... の続きを読む
平成11年4月から施行された改正男女雇用機会均等法では、(1)男女の均等取扱いを事業主の義務としたこと(2)事業主に対してセクシャルハラスメント(セクハラ)防止の配慮義務を定めたこと、(3)女性労働者を活用するためのポジティブアクションに対して国が援助すること、などが定められました。男女の均等取扱いは従来の「努力義務」から、この改正により明確な「義務」と規定され、職場におけるすべての男女差別が法的
男女の均等取扱いは事業主の基本義務... の続きを読む
労働市場はフレキシブルであるため柔軟性や活力はあるものの、解雇が頻繁に起こるというマイナス面がある。しかし、そのマイナス面は手厚い雇用保険制度などでカバーされるため、個々人が抱えるリスクはそれほど大きくない。ただ、失業者全員が手厚い雇用保険制度や社会保障制度に依存してしまうと、財政赤字が膨らみ制度が維持できなくなる。そのため、雇用保険制度で失業者のリスクをカバーしながら、失業者がいち早く労働市場に
デンマークモデルを日本に根付かせるには?... の続きを読む